2人の英語の神様
私の英語のバックボーンには私淑する2人の「英語の神様」がいます。ひとりは「受験英語の神様」と呼ばれた伊藤和夫先生,もうひとりは「同時通訳の神様」の異名をとった國弘正雄先生です。
伊藤和夫先生は駿台予備学校の英語科主任講師として,いわゆる教室三部作の『英文解釈教室』,『英文法教室』,『英語長文読解教室』をはじめ,『ビジュアル英文解釈』,『英語構文詳解』など数多くのベストセラー受験参考書を執筆されました。1997年にお亡くなりになられた後も,これらの著作群は色褪せることことなく現在でも書店に並んでいます。
一方,國弘正雄先生は,アポロ11号の月面着陸の同時通訳者としても有名で,文化放送「百万人の英語」で講師をされていたり,ニュースキャスターなどをつとめられ,外務省参与,参議院議員として外交舞台でも活躍されました。1970年発行の『英語の話しかた』は大ベストセラーになりました。
伊藤先生からは,英文を文頭から左から右へ,上から下へと1度読むだけで,その構造と内容を明確に把握しようとする『直読直解』の読み方を,また國弘先生からは,國弘流只管朗読(しかんろうどく),ひと通り理解した英文をひたすら音読を繰り返して頭の中に英語の回路を作るという試みを学びました。"Practice makes perfect!" が「習うより慣れよ」ではなく「習うまで慣れよ」であるということを実感させていただきました。
2人の神様が共通して語る直読直解のための方法論の,伊藤先生が「理論編」とするなら,國弘先生は「実践編」です。私はここに英語学習の王道があると信じています。そして,英語の習得をまじめに考える人たちの学び舎・実践の場としての居場所作りが,私が自分に課した使命であり,浦和英語塾の存在意義であるのです。